zatsunamemo’s blog

飯食ったり本読んだりしてる。

何もしないだけで、やる気はある。

本は読んでるんですが、なかなか更新できずにいます。 もう少し気軽に行ける読書メーターを最近始めたので、よろしければチラ見してください。

まだ、何も書いていないのだけど、filmarks,noteも登録はしている。

何もしないだけで、やる気はある。

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【読んだ】「8964天安門事件は再び起きるか」安田 峰俊

テレビは国内のニュースで持ちきりだけど、香港の情勢は未だ予断を許さない状況の模様。「香港」でニュース検索すると出るわ出るわ。

中国でデモといえば反日デモ天安門事件ぐらいしか知らない。天安門事件と香港の今は関係あるのだろうか。今の香港の人は当時から何か学べたのだろうか? こちらといえば、それが民主化を求めたデモだったのは知ってるけど具体的に何をどんな風な要求したのか、僕はまるで知らず多くを学べたしめちゃくちゃ面白い本だった。

30年前の天安門事件は学生が主導し、多数の死者が出る大惨事となった。しかし関わったのは実際どんな人たちだったのか、今は何処で何をしているのか、学生以外はどんな気持ちでそれを見ていたのか。 米国に亡命した学生指導者層から、差し入れをしていた労働者や、影響を受けて反政府活動を続けた人(そしてその末路)。留学先の日本から見ていた学生。そして中国はどう変わった??現在進行形である香港の活動家まで広く当事者たちにインタビューしてそれらに応えてくれる。(この本のインタビューは中国政府の監視が強まる以前に行われており、今は連絡するのも難しく同じような本を作ることができないという)

最後は日本国籍を得て親安倍政権的な愛国保守を訴えて中国に対しヘイトし続ける評論家の石平に話を聞いている。 愛国心から天安門のデモを支持していた知識人はなぜそんなふうになったのだろうか。

第50回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。 冒頭がオフィシャルサイトで読める。

kadobun.jp

日本でインド人がカレー食べてる【読んだ】「日本の中のインド亜大陸食紀行」小林 真樹

日本の中のインド亜大陸食紀行

日本の中のインド亜大陸食紀行

食と生活 

日本在住のインド人、パキスタン人、ネパール人は何食ってるのか?? もしかしたらカレーかもしれない。なので彼らに聞いて回って記録した本である。しかしインド人はカレーだけ食ってるわけではない。働いたり、祭りやったり、学生したりしてる。 IT関連はもちろん、現地食材やハラルフードの卸や、中古車販売などいろんな仕事をしている。もちろん著者がアジア食器店(アジアハンター)ということもあり、料理店も十分に扱われている。 この本を読めば、日本での生活や彼らの歴史がなんとなくわかるようになってる。情報量は凄まじく、どのページも料理名、地名が列挙されカタカナ圧が強い。その専門用語の説明も少なく、整理されているともいえない。なのでまあまあわかりにくいが、それも魅力に思えるのは内容がインド故か。

しかし、主題は飯の話で、一体何食べてんだ?? その店で何が食えるの?? と言う疑問にカラー写真付きで答えてくれる。

日本でのインド家庭料理

著者の考え方として家庭料理がインド料理の真髄であるというのがある。 これはインド人的に外食は、どんな宗教の、どんなカーストの人間が作っているかわからないのが嫌で避ける、というところから来ているようだ。 だから外食ではインドの食はわからないのだ。 よって、家に招待してもらうのだけど、その方法として、著者は日本各地の祭りやラマダンなどの宗教行事に参加し、仲良くなって家に招待してもらっている。コンビニバイトしてるパキスタン人学生に話しかけてアパートに入り込んだりもしててなかなか真似できない。 その行動範囲は日本全土に及んでいて本書でも北海道から沖縄まで記述がある。神戸のような長いインド人街の歴史のある街から、日本海側に多いという中古車オークション会場近くのプレハブのモスクなど。日本中にインド人はすんでる。お家の近くのお店がわかる。

ネパールタウンで五百円ダルバート

急増しているというネパール人についても詳しくなれる。新大久保をはじめとした各地のネパールタウンにはネパール人向けのネパール食堂があるという。しかも、件数が増えて価格破壊や多様化が進んでいるとか。行ってみたいものです。

【読んだ】「ニック・ランドと新反動主義」木澤 佐登志

【読んだ】「ニック・ランドと新反動主義」木澤 佐登志

感想

著者のことはダークウェブがらみの記事を読んだぐらいで、ニック・ランドは米国オルトライトのイデオローグなのかな?ぐらいの前知識で読んだ。 ニック・ランドはもともと大学で哲学を教えていて、CCRUというサークルで実践活動としてフェミニストと雑誌作ったりジャングルやダブステップなんかのレーベルやったりとカリスマだったみたい。

思想の実践活動として音楽レーベルするというのが良い。レイブではなくジャングル・ダブステップなのが思想性。

その後上海に移住、2010年にカーティス・ヤーヴィンというシリコンバレーの起業家の思想をまとめた暗黒啓蒙を発表する。

暗黒啓蒙

この運動は、より古い社会構造や政府形態への回帰を望んでおり、君主制や他の形態の指導者、例えば合資(ジョイント・ストック)共和国[3]の「新官房学的CEO」[4]を支持する。それに伴う経済思想として、右派リバタリアニズム保守主義、経済ナショナリズム的アプローチをとる[5]。支持者は一般的に、ジェンダーや人種、移民などの問題に関して社会的に保守的な見解を支持する。

ところで、カーティス・ヤーヴィンにしてもそうだし、本のはじめの方で紹介されているペイパル創業のピーター・ティールがなぜ決済のアプリで起業したのか理由がダイレクトに「世界や社会はどうあるべきか」というところからきていて、起業!!と言う気がする。ピーター・ティールに影響を受けた起業家なんかは彼の言葉「イグジットしろ」をまねるらしいのだけど、順序が逆なわけか。

このピーター・ティールも本人のwikiに出てるくらいトランプ支持の右派で、経済人の右派=市場原理主義新自由主義者と思ってしまうのだけど、市場主義的な競争からのイグジットであり、一筋縄ではいかない。その辺についてもいろいろ書いてある彼も本書の重要人物である。というか彼に第1章目が割かれている。個人的には宗教学者のルネ・ジラールに学んでいた学生時代のエピソードが面白かった。

その「イグジットしろ」はニック・ランドも類似の思想があるらしく、それはドゥルーズ=ガタリの「器官無き体」から影響を受けたという。最終章の加速主義もそうだし、本を通して哲学・思想の用語が参照される感じ。というかこれは現在インターネットで進行中の哲学なのだった。 哲学以外では全編(ピーターティールは除いて)ホラー・オカルト・ラブクラフトが参照されることが多くてなんとも言えない雰囲気になってくる。

最終章の加速主義では特に音楽ジャンルであるヴェイパーウェイヴと資本主義の絡み、ピーターティールのトランプ支持についてなど特に読みがいがあった。


MACINTOSH PLUS - リサフランク420 / 現代のコンピュー |(reupload)

目次

  1. ピーター・ティー
  2. 暗黒啓蒙
  3. ニック・ランド
  4. 加速主義

メモ

加速主義

加速主義(かそくしゅぎ、英語: accelerationism)とは、政治・社会理論において、根本的な社会的変革を生み出すために現行の資本主義システムを拡大すべきであるという考えである。

反動

反動(はんどう、英: Reactionary)とは歴史用語、政治用語で、革命勢力から見て反革命的な姿勢、行動のこと。左翼勢力が右翼勢力をさして批判的文脈で用いる(「保守反動」「右翼反動」など)。この逆の“左翼反動”といった表現は存在しない。左翼は基本的に「進歩主義」だからである。

リバタリアニズム

リバタリアニズム(英: libertarianism)は、個人的な自由、経済的な自由の双方を重視する、自由主義上の政治思想・政治哲学の立場[1][2]。新自由主義と似るが、これが経済的な自由を重視するのに対し、リバタリアニズムは個人的な自由も重んじる。[3]。他者の身体や正当に所有された物質的、私的財産を侵害しない限り、各人が望む全ての行動は基本的に自由であると主張する[4]。

魚・野菜・マスタードオイル・カレーについて【読んだ】「ベンガル料理はおいしい」石濱匡雄(著)ユザーン(監修)

ベンガル料理はおいしい

ベンガル料理はおいしい

ベンガル料理はおいしい特設サイト

毎年数カ月間をインドで過ごすユザーンの、超私的な願望をきっかけに生まれたベンガル料理本のニュースタンダード。 ベンガル料理とは、インド・西ベンガル州からバングラデシュにかけて広がる地域(ベンガル地方)の料理。野菜をふんだんに使うことが特徴の一つであり、コース料理のようにダール(汁物)からスタートし、野菜、 魚、肉、と順番に食べていくスタイル。主食も米で、和食とも親和性があります。(以下略)

著者監修だれ

二人ともインド古典楽器の奏者。著者が修行さきで作っていたまかないがベースになっているという。

著者

石濱匡雄(シタール

監修

ユザーン(タブラ)

ベンガル地方て何処

著者がいたのはコルカタ

どんな料理?

従来日本で知られていたナンと一緒に食べるような北インドに対するアンチテーゼとしてヘルシーな南インド料理・スリランカ料理が近年流行ったわけだけど、ベンガル料理はマスタードオイルをまあまあ使う。油がいやなら南へ進め。ヘルスはどこからきて、どこへ行くのか。 そうはいっても魚や野菜をふんだんにつかうのでカレーも野菜も食いたい人間にはヘルスな気がする。 「シラスと野菜の椀チョッチョリ」はシラス・ジャガイモ等材料を電子レンジで12分と言う簡単なレシピだったので作ってみたのだけど、このような簡単なものから各種カレー・ビリヤニ等手のかかるものもあって楽しい。

マスタードオイルがいる

とにかくマスタードオイルが使われていて、これ無しでは何ともならない。コツとして著者も多めにマスタードオイルを使うこと、と言っている。 使ってみてわかるのが特有の香りであり、うまさがここからきている。使わなければただのカレー炒めに成り下がってしまうレシピもあるので積極的に使っていきたい。 あとマスタードだけあって目に来る(好きな痛み)。 Amazonで買おうとすると以下の★一つのレビューが気になってしまうが自分は大丈夫だった。

The taste is awful, nothing to do with mustard oil, must be discarded and never eaten by human!

マスタードオイルのことは何も知らないし、俺がヒューマンでない可能性もあるが・・・

その他スパイス

後はスーパーにおいてあるスパイスでなんとかしていくつもりだったのだけど、本書でよく使われているパンチフォロンというミックススパイスは買ってしまった。

  • クミンシード
  • フェンネルシード
  • ブラウンマスタードシード
  • ニゲラシード
  • フェヌグリークシード

これらを同量混ぜる。ニゲラシード以外は適当なスーパーで何とかなるかな。

あとは、青唐辛子が必要なことが多いけど、こちらもあんまりスーパーで会わないので諦めて、ししとうで代用していこうと思う。今後は唐辛子栽培に乗り出して一山当てたい。

中華料理だけが中華料理なのか 【読んだ】ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華 中国少数民族料理

ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華 中国少数民族料理

ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華: 中国少数民族料理

ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華: 中国少数民族料理

シェフ御用達柴田書店から。

中国少数民族レシピ?

公式サイトより

いわば「見落とされてきた中国料理」の中から、以下の3つの特徴のいずれかを持つ料理83品を収録しました。

●加熱・生食を問わず、フレッシュハーブを駆使する料理  ⇒「ハーブ中華」
●発酵させた食材や調味料を使う料理 ⇒「発酵中華」
●乾燥させたスパイスや漢方で使う食材を味の決め手として使う料理 ⇒「スパイス中華」

メモ

  • 材料準備さえすれば何とかなりそうな「ハーブ中華」からチャレンジしてみたい。ハーブ焼き魚のようにハーブ乗せて焼くだけみたいなものもある。
  • 「発酵中華」は心理的に抵抗あるものも多い。豚肩ロースのなれずしとか怖すぎるけど作ってみたい・・・
  • 現地の料理は必ずしも日本人似合わないとか、まずいとかでアレンジしているらしい。

気になったレシピいくつか

雲南ニラミント醤

刻んだニラ、ミント、レモングラスに熱した油をかけ、ナンプラーと酢で調味する。 類似品を作ってみた。余談だけど、うまかったがナンプラーが古くて当たった。

小魚豆豉

干した小魚をコリアンダーシードやニンニク、赤唐辛子、豆豉とともに炒めて作った醤。

水豆豉

圧力鍋で煮た大豆を30度で48時間発酵させ、塩、赤・青唐辛子、花椒などとともに大豆の煮汁につけて一週間熟成させる。納豆ぽい臭いがするが、乳酸菌発酵。 本にはこれを使ったレシピがいくらか乗っている。

香り薬味臭豆腐

臭豆腐とは豆腐を発酵液につけて作る発酵食品で中国北部で親しまれているらしいが、まず発酵液を常温で二週間置いたりするのが怖い。

【読んだ】松本俊彦「薬物依存症」

薬物依存症 (ちくま新書)

薬物依存症 (ちくま新書)

ピエール瀧逮捕を受けて読んだ。

めちゃくちゃ面白かったのだがそのキーワードは「孤立」だった。酒は大人の、タバコを不良の仲間入りの為にあったと考えるととてもわかりやすい。違法薬物であっても多くは誰かと「つながり」を持つため使うのだという。しかし脳と心を「ハイジャック」され依存症になると、むしろ「つながり」を破壊してしまう。

著者は薬物依存症を「孤立の病」と考える。治療しようにも「孤立」させないようにしないといけないが患者は何度でも裏切る。日本は厳罰ばかりで治療は欧米と比べて遅れているようだけど(アルコール依存症の病院にも治療を断られることがあるという)、希望が無いわけではないみたい。

以下メモ。

厳罰でなぜ治らないのか

  • 著者が刑務所での受刑者への質問。著者「(薬のせいで)兄貴にヤキを入れられてどんな気分だった?」受刑者「余計にクスリをやりたくなった」
  • 一番再発しやすいのが刑務所(や病院)を出てすぐだという。
  • 禁酒法でアルコール問題は減少せず、闇酒でギャング(アルカポネ)が巨利を得た。

誰が依存症になって、誰がならないのか

  • 虐待やネグレクト、ADHDの子供はドーパミン活性が低く薬物のような強烈でダイレクトな刺激でないと興奮せず、薬物依存症になりやすい。
  • 檻の中のネズミと雌雄ペアのネズミを比較した実験ではペアのネズミに比べ檻の中のネズミのは依存症になりやすい。

危険ドラッグと法規制

  • 日本では規制対象となる薬物はすべて化学構造式で定義されているので、その式を少し変えるだけで「脱法」することができた。
  • 日本人の高い遵法精神から脱法の市場価値は高かった。違法でないなら何ら問題ないわけだ。
  • いたちごっこが進むにつれ、どんどん急性中毒の症状が悪くなっていった。
  • 最終的には2014年の改正薬事法(ヤバそうなものを売りたければ自分で安全性を証明しなければならない)により販売店は一斉に店をたたんだ。

日本と海外

  • 海外に比べると日本は薬物経験者は極めて少ない(米国48% 日本2.4%)。
  • 海外で乱用者の多いヘロインモルヒネは広がっていない。
  • 海外(アメリカ等)ではドラッグコートという地域のなかで治療を受けることで減刑される制度が効果をあげている。

回復

  • 薬物依存症の回復で何より重要なのが「やりたい」ときに支援者に「やりたい」と言えること。「やってしまった」「やめられない」と言えること。
  • なんでもオープンに話をできるのは売人だけだった、勧められるとやめられなかった。
  • 著者はスマープという回復プログラムを開発し広がっている(本の中で詳しく説明されている)。